2012年6月3日日曜日


今日の秀林部落は雨。秀林に降る雨は半端な雨ではない。降る時には徹底的に降る!というかんじである。
部落の目の前にそびえ立つ吾輩の姿も、さすがに今日は、部落の人達から見る事が出来ない位の大雨だ。

しかし、この雨が秀林部落に沢山の恵みを与えてくれる。その一つが台湾の中でもひときわ甘くて美味しい「台湾バナナ」である。
「台湾バナナ」と一口で言っても種類はいくつかあるを日本の皆は知っているだろうか。

まずは、普通のバナナ。これを中文では、「香蕉」と言う。外見は日本で売られているフィリッピン産のバナナとよく似ている。
次が「巴蕉」と呼ばれる小さいバナナ。日本ではモンキーバナナとして販売されている。
そして「アップルバナナ」。これはおそらく日本ではまだ販売されていないだろう。普通のバナナに比べ、粘りが少なく、少し固目。味は名前の通り、リンゴの味がほのかにする。バナナとリンゴの味と香りのコラボが何とも言えない旨味を引き出している。
この他に、真っ赤なバナナや、調理専用のバナナというのもある。

何れにしても、秀林のバナナは、贔屓目抜きで台湾で一番美味しいバナナである。

例の日本人家族もこのバナナにほれ込み、この部落に引っ越しをしてきた様なものだ。
旦那と嫁は、今、このバナナを使った新しい製品の開発を行っている。この開発が成功すれば、秀林に新しい産業を誕生させる事が出来、新しい雇用を生み出せる訳だ。
何とか頑張ってもらいたいものだ。

秀林部落の良いところは、自分達が栽培し、収穫した作物は、必ず、おすそ分けをする事。
決して自分達だけで食べる事はない。
現に、日本人家族は秀林に引っ越してから、野菜・果物を購入したことがほとんどない。
常に誰かが何かを持って来てくれる。特に、バナナに関しては、今まで生きて来て食べた量をわずか1か月ほどで越えたと感じるほどの量を食べている。
しかし、不思議なもので、秀林のバナナは、いくら食べても飽きない。

まあ、これも、吾輩が部落に恵んでいる豊富なきれいな水と栄養分たっぷりの土のおかげであろう。
だから、部落の人達もその事に感謝して、すべての作物、無農薬である。特別な決まり事がある訳ではない。
「作物を栽培する際、人体にも自然界にも有害な農薬を使ってまで作物を栽培する必要はない。虫食いがあっても構わない。それは、ここで農作物を栽培させてもらっている事に対する自然への感謝とおすそ分けだと思えばよい」
というのが部落の人達の考えだ。

太魯閣族は常に自然を大切にし、吾輩、トンガリ山を大切にしてくれている。だから、吾輩も、そのお礼を彼らに与えている。

ただ最近、都会からくる観光客や中国人観光客が、ゴミやタバコのポイ捨てを平気でしたり、他の地域の屋台の業者がゴミを無断で川に捨てて行ったりする。これには吾輩も頭を痛めておる。

今日はこのぐらいでお話はやめておこう。




今日は吾輩の勇士をご覧頂けず残念!



秀林部落には至る所にバナナの木がある。そのほとんどが、自家消費用だ。



まず、この様な大きな実を付ける。この実の皮一枚一枚に、バナナの赤ちゃんが入っている




実の皮の中にはベビーバナナが



先っぽの黄色い部分が花。これが成長して緑色になり黄色になる



立派に育ったバナナ(香蕉)



下が収穫したばかりバナナ(香蕉)上の2つが巴蕉。香蕉は後10日ほど軒下に吊り下げておけば、黄色く熟し、甘みを増す。ガスを使って熟させる方法に比べ、甘みが倍近く増す。
巴蕉の方は熟した状態。すっごく甘くて、味は正にフルティーという表現がぴったりの味。バナナの概念を変えてくれる出会い。




これが今、秀林でも人気のアップルバナナ。中の実が大きくなり過ぎ、皮を破ってきている。こうなれば、食べ頃。

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