2012年6月13日水曜日

報恩一途


それにしてもよく降った。豪雨とはまさに今回の様な雨の事を言うのだろうなあ。
吾輩の秀林部落をはじめ花蓮では大きな被害は出なかったが、中南部、そして台北市及びその近郊では大変だったようだ。
今回の豪雨は中国大陸にも大きな被害をもたらしたようだな。
そう言えば、日本の政府は、中国大陸に大きな自然災害が発生すると非常にすばやく支援に乗り出すが、台湾となると、少々、スピードが遅い様に感じるのは吾輩だけだろうか・・・?

突然だが、ここで今日の言いたい放題だが、


「恩に報いる=報恩」最近ではやや希薄になってしまった様な気もしなくはないが、「報恩一途」の精神は非常に大切だと吾輩は思うのだ。
人は決して自分の力だけでは生きていけない。色々な人達の支え、すなわち、恩を受けて生かされている。その恩に如何に報いることが出来るかを常に考えて生きていく事が大切だと吾輩は思う。
私事だが、秀林部落の太魯閣族の人々は、吾輩が部落に与えた自然の恵みに感謝し、その分、彼らも吾輩の源「自然」を大切に守ってくれている。その一つが徹底した無農薬農法。
これも立派な「報恩一途」だと吾輩はありがたく感じている。

少々固い話になるが、台湾という国は今まで様々な国に支配されてきた。古くはオランダに統治され、その後、1895年の下関条約によって日本の領土になった。その時点で、台湾の人達は、母国語であった台湾語を捨てさせられ、日本語教育を受ける事になり、名前も日本名に変えられた。
その後、終戦を迎え、1944年には、内戦に敗れた蒋介石が軍隊を率いて台湾に逃げてきた。
そして、台湾は蒋介石率いる国民党によって統治された。
台湾の人々は「アメリカは日本に原爆を落とし、台湾に蒋介石を落とした」とか、「犬が去って、豚がやってきた。犬はまだ番犬になるが、豚はむさぼり食うだけ」と嘆いた。
日本統治時代には、以前にも書きましたが、原住民の人達は無理やり平地に住むように強制され、全ての台湾人が、先祖から続いた名前をはく奪されたり、文化・歴史の源である言語を無理やりに変えられたりと辛い思いをしたにも関わらず、親日派の方が多い台湾。
その根底には、日本統治時代に受けた「恩」を忘れていないから。
元台湾の総統(大統領に総統)である、李登輝氏が、ご自身の著書(これからのアジア)でも述べられていますが、「日本人は、台湾発展の基盤をつくるのに貢献した」と。
この考え方は第二次世界大戦で日本兵として出兵された経験を持つ人達からも聞いた事がある。

戦前、戦中、戦後と吾輩はずっと台湾を見てきたが、台湾の人というのは「報恩一途」の精神が今でもしっかりと受け継がれている様に感じる。

固い話はここまでとして、まあ、まだ台湾というところに来たことのない日本人の諸君、あるいは、台北・高雄という都会中心の観光しかしたことのない諸君、理屈抜きで、一度は吾輩に会いにくるとよい。ストレスの塊の諸君、悩み大きい諸君、吾輩が全てを受け止めてやろう。
これだけは約束できる。吾輩に会いに来て、日本に戻る頃には、きっと、新しい自分を発見しているだろう。
吾輩はいつでも手を広げて諸君を待っているぞ。










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